少し前の話なんだけど、東京出張で、打ち合わせが終わり、日本橋のホテルでぐったりして「今日はしんどいし近くでラーメンでも食べて寝るか」と思っていたところ、イニシャルM氏から電話が。
「とにかく今から来て下さい。C級呑兵衛に是非味わってほしいものが。イニシャルH氏も、これはC級呑兵衛に食べてもらわないとって言ってますんで」
「じゃ、じゃあ行くけどどこ?え?!六本木?」
状況がよく飲み込めないながらも、いつの間にかメトロに揺られてミッドタウンへやって来た。
イニシャルM氏と合流するなり、
「めっちゃ美味いですよ。オーナーもいて、味の分かるやつ連れてこい、みたいなことなってるんですよ」
ちょいちょいちょい!
今から行く先のイメージが全く浮かばないのと、行く前から何人の登場人物が出てくんのよ。っていうか、その「味の分かる奴」っていうハードルやめてくれや。C級呑兵衛やいうとるやろ。
C級呑兵衛が合流した時には、イニシャルH氏、イニシャルM氏のほかに2人初めての人がすでに鍋を囲んでいた。うち1人が店のオーナーだね。何だか、強面な面々ですけど大丈夫なんですかあ。聞くと、その初めての2人はいずれも関西出身だった。だから柄が悪い・・・いや、とても気さくでフレンドリーで安心した。
店は鶏料理、とはいっても串焼鳥ではなくて、
地鶏料理が堪能できる「万徳」だ。
かけつけ3杯ならず、かけつけもも焼きときた。
「おっ」
炭炙りで真っ黒になったもも焼きといえば宮崎ですな。この店も宮崎の日向地鶏を、その日宮崎でさばいて直送し、その日に使い切るという徹底振り。鶏はオーナーが「色々食べて歩いたけど、この鶏が最高や」と惚れ込んだ逸品だ。
地鶏もも焼きを、ひとつ口に放り込む。
「ぬおっ!かったっ」
宮崎地鶏は強い弾力と歯ごたえがあることはもちろん分かってるんだけど、これほどまでに硬いか・・・初めて口にした人が「これ焼きすぎじゃん」とか誤解を招きそう、と心配するくらい。とんでもない、ゆっくりしっかり噛むほどに、炭の香りと共に鶏のジューシーさと旨みがじわじわっとやってくる。「美味い!」
「どないでっか?」と聞かれて、すんません、安っぽい言葉で表現するの失礼かなとか思っちゃって、無言でその後も、ひたすら、箸を伸ばし続けてた(おかわりしちゃってるし)。
これを知ってしまうと、他の炙りもも焼きが「この軟弱者!」(byセイラ・マス)と思ってしまう。とにかくも絶品だ。
あと、地鶏たたきね。これも泣ける。そもそも生でいける素材なので、表面をさっと香ばしく炙る程度。
もうねえーもも焼きといい、たたきといい、ずっと食べてたい味わい。
鶏は宮崎、馬は熊本。熊本直送のさくら刺身もいただく。あ、タテガミも(写真では写ってないけどね)。タテガミはとろけっちゃうから。さくらも、あっさりながらも味わい深いですなあ。
「おっと、その瓶で漬けてるんですねー」と出してもらったのが、らっきょう。
大粒でシャキシャキ感満載。適度な甘みでこれもやみつきー。
シメには地鶏釜飯をいただく。ここへ至るまでに水炊きなど、出てくるもの出てくるもの食べてたから写真にちゃんと撮れてないし・・・(すみません、食べる方に集中してましたー)
ほわっと炊き上がったアツアツの釜飯、美味しくないわけないじゃん。鶏もたっぷり、でもしつこくなくてあっさりといただける。
食べるだけでなく、酒の充実度合いも(呑み度合いもおかげで充実しちゃって・・・)すごい。
なかでも、あの甕・・・「古久蔵貯蔵保証札」ついてますけど。この間、苫田温泉ネタでも登場した喜多屋の酒、麦焼酎 古久「与作」だ。
出荷されるまで5年以上、そして甕のまま出荷の長期熟成麦焼酎。札には蔵入年月平成11年ってなってるぞ。42度という度数ながら、それを感じさせないまろやかさ、んーウイスキーを呑んでるみたい。
美味い酒、美味い食事・・・
おっと、ここに来なければラーメン食べて終わってるとこだったんだよな。いやあ、ありがたやありがたや。
■「行ってみたい」とふと思った人へ
店名:地鳥料理・酒房 万徳
場所:東京都港区六本木4-12-11 竹岡ビル1F
時間:18:00~26:00(L.O.25:15)
電話:03-5414-7112
おっと、神戸が本店なのね。神戸も住所書いとこうかな。
場所:神戸市中央区山手通り1-2-9 伸光ビル1F
電話:078-334-2185