少し前、2010年2月4日の話。
いやー感動したな・・・
料理も酒も旨すぎる。料理にあう酒、酒にあう料理・・・店主の探究心の賜物ですな。
みなさんは、この本ご存知?
『つゆから教えるおつまみレシピ』(近藤康浩・著 ワニブックス)
家に買って帰ると、良妻は知ってたんだけど。
今回、この著者近藤氏が店を構える「さぬきや」に行くことになった。
場所は東京は高円寺、駅から少し歩いたところにある。
店の名前からして、讃岐うどんの店なんだけど、店主が利き酒師でもあり、研究熱心でもあることから、酒にあう料理、料理にあう酒が凄いことになっている。元モデルさんですよー
とにかくお任せで・・・
最初、「いま、一番オススメしたい酒です」とまず出されたのが、「而今(じこん)」だ。名張は木屋正酒造の酒で、これは八反錦100%の純米吟醸。透明感があり、上品な甘みがすっと入ってくる。いきなり美味い・・・
1つ目の料理は長崎県産岩カキを香味ポンズで。「びっくりするくらいクリーミーですから」と言われ、口にしてみる。あのぷりっとしたところの中がクリーミーだと思うよね普通。ところが違う、このカキ全体が何だか瑞々しいヴェールに包まれている感じで、トゥルンとした感覚が口に広がる、これがクリーミーなんだよな。
そして、冬野菜の炊合せをかぼちゃのすり流し。えー、野菜の味って、ここまでしっかり感じるものなのかあ・・・技ですなあ。
「十四代 七垂二十貫」純米大吟醸ときたか、精米歩合40%だって。
ふわっと柔らかい味わいがたまりませんな。
お造りは、と・・・
やりいかは卵黄とウニを合わせたもので、赤貝は柚子胡椒と銀餡で、きはたはあん肝に塩降り、さばはスモークしてありますな。
一つ何かが出るたびに手間を感じるわね。
柚子胡椒は普通だと柚子胡椒が勝つんだけど、この風味だけを活かしてるんだよな。
美味いに決まってるじゃん。
「喜八」純米吟醸は、温めていただく。これは兵庫の酒「奥播磨」ですな。
海老しんじょは、海老にいかと大葉を巻いて揚げてある。
つける塩がこだわっていて、モンゴル塩をうどんだしで溶かして再結晶させたものだそうだ。
酒は「丈径(たけみち)」純米酒に。島根の王禄酒造の酒だ。
これもまた凄くて、年間限定本数が210本と決まっているため、ラベルに「68/210」なんて採番されているぞ。
昆布・大根・芹・烏賊(みみの部分)・ハタ和えもの。さっぱりと、しかーし酒がすすむ一品だ。
「而今」山田錦火入れをつーっとやりながら、
じゃがいも(「インカのめざめ」で栗みたいー)、牛蒡のくりぬきに鯛、豆腐(チーズみたい)の一皿を。
で、酒は「鍋島」中汲み純米吟醸に。
「お、肉ですなー」
米沢牛はイチボとランプですな。おう、特にランプ、この肉質がたまりませんな。
「小左衛門」汲みたてにごり酒ときましたか、店主が別の酒をブレンドしたオリジナル。にごりだけど、風味が活きながらもあっさりとした仕上がり。
しめのうどんは、
まず、かぼちゃ、よもぎ、全粒粉3種の麺に白子のムースバージョンをひとつ、
そして、オーソドックスな讃岐うどんをひとつ、
そしてそして、トマトと米沢牛の辛味うどんをいただく。
麺は程よいコシに、瑞々しい喉越しが美味。オーソドックス以外も創作の一つ一つが気になっちゃって。
トマトと米沢牛なんて、どんなことになるんだろうと思うけど、脂っこくなく、でも肉の旨み十分でこれがトマトと合うんだ。
しめの酒は、
古酒「鶴鳴(かくめい) 秘蔵古酒」吟醸、富山の若鶴酒造の酒で1993年仕込みのもの。
白ワインのように淡い黄金の色合い。古酒ときくとかなり個性のある味わいをイメージしてしまうんだけど、
これは、とってもやさしい仕上がり。
そして、「上喜元 からくち」特別純米ぷらす12。
+12だと、かなり辛口なイメージがあるんだけど、
そんな刺すような辛味なんてなくて、むしろ、呑みやすいし香りも立つ美味い酒だ。
酒、肴、酒、肴、酒・・・
いやあ、最高の時間を過ごせましたな。
■「行ってみたい」とふと思った人へ
店名:さぬきや
場所:
東京都杉並区高円寺南4-38-7時間:18:00~23:00 日休
電話:03-3314-4488