阪急電車での通勤、毎日見る車窓から、
「あの店ってどんな感じかなあ」と思う店がいくつかあって、
随分と前だけど、庄内の
立ち呑み処「筍」も、そうして出かけた店の一つだった。
実は、今回はその
立ち呑み処「筍」と同じ通りにある店を訪れてみた。
外からは中の様子が分からないから・・・入れるかなあ。
「ニューことぶき屋」だ。
もう、ずっと来たい来たいと思っていた。
ちょっとためらいもあったんだけど、ええい入ってしまえー
カラカラカラ・・・
店のおかあさんも含めて中の人が一斉にこっちを見る。
お、きたね久々の緊張感。
でも、その瞬間だけで、店のおかあさんは「どうぞ!」と小気味よく声をかけてくれた。
先に冷蔵ケースの中身だけ確認して、入口に近いカウンターに腰をかけた。
C級呑兵衛以外は、一つの話に全員が絡んでるから常連だ。
いきなり、隣の客がC級呑兵衛に、「これ、バレンタインやから好きに取って取って」
差し出されたのは、店が用意していたのか、器に盛られたチョコレート。
「んじゃ」と2粒手に取る。
後からやって来た常連にも、他の常連がまた同じことをするんだけど、
「これ、勘定に入ってるかもしれんで~」
・・・そんなやり取りを見ながら、ビールとほたるいかをつまむ。
店のおかあさんが
いい意味で男前だ。
チャキチャキっとした感じで、気持ちがいい。
でもって、C級呑兵衛のような一見にも、しゃべりはせずとも、とても気にしてくれていることが分かる。
常連客は話が盛り上がって、女性客の一人がえらく酔ってご機嫌だったんだけど、そのやりとり全体が妙に親近感が沸くのね。
これって、店のカラーなのかなって思ったね。居心地がいいわけ。
あじの造りを生姜でいただく。うん、美味い。
カウンターの上に、銀杏が入った器を見つける。
「銀杏?あいよ」
と言ったが早いか、煎る専用の器具に手で掴んだ銀杏をパラパラと入れていく。
・・・が、器に入っていた銀杏全部入れちゃったよ。
こんがりと煎った銀杏に、「これ割るやつな」と殻割器を渡される。
パキっと割った殻の中から、きれいな黄色の実がのぞく。
アツアツのホクホクがたまらん。
何のしがらみもなく、ここでお酒を呑んで純粋に「良かった」と思えたということは、いやーやっぱり来てよかった。
■「行ってみたい」とふと思った人へ
店名:ニューことぶき屋
場所:
豊中市庄内西町2-1-8電話:06-6332-2974