今日は冷え込む。
「とり平」で少し焼鳥を頬張ってビールを飲んだことで、いい気分にはなったものの、外へ出たとたんに一気に酔いが醒めた。呑んだことでかえって体が冷えてしまう。
石橋まで戻ってきたとき、少しだけ暖まって帰ろうと思い、
「文吾寿司」の暖簾をくぐる。
もうあと数分歩けば家に帰ることができるのに、こういうことばかりして、結果、家に帰ってから
家族の冷たい仕打ちが待っている。だったら、
文吾で暖をとっても意味がないじゃないか。
・・・さてと、熱燗を2合お願いしようか。
大将が外を見て、
「今日は人が通らんなあ。寒いからかなあ」と話だした。何度か足を運んだことで、C級呑兵衛の顔も覚えてもらったようで、大将のほうから話しかけてくれた。
これまでは「何にしましょ」だけだったのが、
「なんしましょ。お造りかなんかみつくろいましょか」となった。
これまで、無口に仕事をするところで静かな時間が流れ、テレビだけが賑やかだったが、こうやって、お店の人と少しでも会話が出来るようになるというのは嬉しいものだ。
少し前だが、近くのコンビニエンスストアで買い物をしているときに、たまたま店内で大将をみかけたら、大将も気がついてくれお互い軽い会釈をした。
でも、お互い必要以上の会話をすることはない。また静かな時間が流れる。
こちらの時間を大切にしてくれる、この雰囲気が好きだ。
平目と牡蠣のにぎりをつまんだ後は、日本酒にあう下足の塩焼きを注文した。そ、
いつもの定番ラインナップだ。
でも、今日はいつもより体が温まる気がした。