映画
『あらしのよるに』というのが、絵本から映画化されたという話は少し前に聞かされたのだが、内容的に
ええ話というのが通説のようだ。
その絵本を知らないためにもう一つピンと来なかったのだが、子供のいる家庭では
結構有名みたいだ。
宗右衛門町からの帰り、石橋まで戻ってきて
酒を呑んだ後のうどんということで、
井口堂交差点にあるカウンターのうどんやに入る。この店、仕事が遅くなったりして深夜、たまに立ち寄る店なのだが、
店名を未だに知らない。
いつもの
きつねうどんを注文し、待っている間、右手にあったコミック棚を眺めていたところ、
「あ、これがそうか」。
C級呑兵衛との出会いはこういう形でやってくるのか。
その
絵本に偶然にも出会ってしまう。「あらしのよるに」だ。
どう考えても
ファミリーで来る様な店ではないと思うが、何故か絵本があるから不思議だ。
深夜に、
きつねうどんをすすりながら、絵本を熱心に読むサラリーマンが今日も一人。
第三者的な立場で、この姿を見られて
「あ、あの人淋しいんだな、きっと」とか、そういうことは思わないでいただきたい。
現場はいたって冷静で、
「あ、おつゆが本に・・」「おいおい、この先どうなんのよ」など呑兵衛の
一人小芝居が続いていた。